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バリカンで刈ったみたいなミズナラたち

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新庄氏が好きな場所での収録でした。
ここは春採湖のボート乗り場。
ここから春採湖を望むと右手に春採湖のこんもりとした森が見え、春にはサクラが綺麗に見え、
左手にはまるでバリカンで刈ったみたいな丘が見えます。
チャランケチャシのミズナラの森です。
アイヌの方のチャシがあったところ。その時は今のような森はありませんでした。
木は自然に生え、まるで丘の斜面にあわせるように木の高さが整っています。
海から冷たい風が入った結果なのだそう。
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ミズナラの木は一斉に芽を出したのですが、風のあたるところは伸びなかったという訳。
潮風が新芽を枯らしてしまったのです。
この風景は根室半島でも見ることができるそうです。
それにしても本当に綺麗に刈り上がっています。
何気なくみている風景もそんなお話しをお聞きした後だと見る目がかわってきます。
湖の湖面が凍っていました。
そこには綺麗な模様がいくつも・・・
これはどうしてできるのでしょう?
大きな要因は風とのこと。他にも氷の割れ目の動きや地形などが影響するそうです。
自然が作り出すものは本当に美しいとまたまた思った収録でした。冬はこんな楽しみが増えます。
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ゴマツリ岬?

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ゴマツリ岬ってご存知ですか?
何度も足を運んでいたのですが、
今回初めてその名前の存在に気がつきました。
この岬のすぐそばに鬱蒼とした森があるのです。
昔の春採湖周辺にはこういった森がたくさんあったのですが
現在残っているのはここの一角だけとのこと。
グイマツ、イタヤカエデ、ダケカンバ、シナノキ、サクラ、ミズナラ・・・
どれも幹が太く、ユニークな形をしています。
通常はこのように海に近いところでは生息していない植物たちなのです。
ここは海からの風が直接あたらないそうです。
たしかに春採湖の中にあって少しだけ暖かさを感じました。
夏に来ると鬱蒼とした森が広がっているそう。
空の青さも感じないくらいに・・・
今は葉が落ちて、木の形がよくわかります。
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ゴマツリ岬って気になりますよね?!
これは海岸線の一部だったそうです。
名前の由来はゴマ塩頭の先生(ちょっと定かではないのですが)がここで釣りをしていたからとか・・・
真偽のほどは定かではありません。
通常の散策コースよりも上にある場所です。
もとの科学館のすぐそばです。
一度ここから色々な植物たちを観察してみてはいかがでしょう。
たしかに見事な木々がそこには存在しています。ここだけ残っている場所。
昔の春採湖に想いを馳せても良いのかもしれません。
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悪条件でも鯨類に遭遇できた釧路の海

2016.10.23ザトウクジラの母仔.JPG

2010年以降は、10月の中旬以降、11月の上旬にかけて調査を行ってきました。
・・・ということは、2010年くらいから水温が上がってきたということなのです。
調査を始めた当初は、9月の終わりに調査を開始し、10月上旬には終わっていたそうです。少なくとも今と1ヶ月くらい時期が早かったのです。後に調査をずらしたのは、9月の終わりや10月の初めでは鯨類や鳥たちに遭遇することができなくなったから。たまたま10月下旬にプログラムを実施しなければならない時があり、その時に遭遇率があがったのです。そこから今の時期に変更。
同じことを繰り返さないと変化はわかりません。
普遍の、変わらない芯をつくることで周囲の変わったものをあぶり出すのです。
実は2005年あたりは9月の終わり、もしくは10月の初めに車の窓が霜で白くなっていたそうで、そのことをよく覚えていると笹森氏。一緒に船に乗った学生の手が水しぶきをかぶって、その冷たい手で舳先に触ると凍りついたりしていたそう。
2016.10.25釧路沖でのんびりしているマッコウクジラ.JPG

今年のシャチとの遭遇率が非常に低く、その数は例年に比べると1/10。
シャチに関しては頭数が非常に少ないので衝撃的だったと振り返ります。
10回しか海に出ることができなかったこと、さらに朝から夕方までびっしり調査できたのはそのうち半分くらいだったことを考えあわせても、鯨類6種類を確認。これは多い方だと思うとおっしゃっていました。
笹森氏が釧路沖で確認している鯨類は12種類、そのうちの半分位がだいたい毎年確認できているそうです。
今年はネズミイルカ、カマイルカ、イシイルカ、シャチ、ザトウクジラ、マッコウクジラを確認。
2週間くらいの調査で10回位海に出て、それだけの数を確認できる海域は国内ではそうないと。
その条件の悪さでこれだけを確認できているので、それは釧路沖の凄さをあらわしていると思うとおっしゃっていました。
その中でのシャチの少なさは、もう来ていないとしか思えないと。
しかも一つの群れだけしか確認できていないのですから。
シャチが釧路沖に来る理由としてはエサを求めてということと、子育てもしていると考えらえています。
ザトウクジラやマッコウクジラにとって釧路沖は通過していく、回遊コースの一部に含まれていると思われています。
シャチのお母さんと、お母さんの真似をする子供.JPG 秋の釧路沖のレギュラー キタオットセイ.JPG
今年から一つの調査方法が増えました。ドローンを使って1回だけ調査をしたそうです。
風が強すぎても、動物がいなくても調査はできないので、今回は1度だけ。
チャンスも非常に少なかったのです。上空から絵を撮ることで、船が近づいた時に彼らがどういう行動を起こすのか、全体像を見ることができるのです。
実は以前から親子間の個体間距離や仲間同士の個体間距離が人間が近づくことでどう変わるのかを調べたいと思っていたそうが、なかなか実現できなかったとのこと。
今回はシャチの動画は撮れました。ただ、ドローンの飛ばし方も陸上と違って難しく、トライアルとしては良かったと思う。だから来年以降に期待したいとおっしゃっていました。
今年から導入のドローンでは、動画のほかにDNA採取にも挑戦.JPG

※写真は笹森琴絵氏からお借りしました。
(上から ザトウクジラの母仔、釧路沖でのんびりしているマッコウクジラ、シャチのお母さん&お母さんの真似をする子供と秋の釧路沖のキタオットセイ、今年から導入のドローン)

水温が高く時化が続く釧路の海

a2016.11.02一列に並ぶシャチのポッド(群れ).JPG

釧路の海の調査が終わったところで海洋生物調査員、さかまた組代表の笹森琴絵氏にお話しを伺いました。
基本的には現れる種については同じもの、噴火湾の今年のような意外性はなかったそう。
ただ、メインのシャチ、イシイルカの2種類に関してはあまりにも遭遇率が低く、何かあるのでは?と思わざるを得ない様な感じだったとおっしゃっていました。
たぶんエサの問題だと思いますが・・・と笹森氏。今年は様々な魚がいつもの年に比べると獲れないと聞きます。そこで言われているのが水温の高さ。笹森氏もここ10年くらい釧路沖は見てきているのですが、その後半、5年くらいは10月の中旬以降、だいたいこの時期に固定しているそうです。それは、同じ時期に同じ方法で調査することでその変化をいち早く掴みやすいということ。その中で一番注目したのは水温の高さ。
a2016.11.02釧路沖に毎年あらわれる、シャチのポッド(群れのこと).JPG

笹森氏はまず初めに同じ地点で水温を計るそう。例年よりも2〜3度表面水温が高かったのです。16度近くもあったそう。シャチが現れる水温が13〜14度以下。16度という数字は今まで調査したきた中で2番目に高いそうです。シャチが冷たい海が好きということではなく、シャチが食べているもの、或いはそのシャチが食べているものが食べているものが、冷たい水温でなければ現れないということなのです。もしかすると食べ物になっているイシイルカがあまり姿を現さなかったので、それがシャチに会えなかった理由の一つになっているかもしれないともおっしゃっていました。
ただ、すべては根幹にあるのが水温の高さと言えるかもしれません。
a2016.10.23 釧路市民の前に現れたザトウクジラたち.JPG a2016.10.25尾びれを挙げるマッコクジラ.JPG
とにかく今年の海は時化に悩まされたそうです。時化があまりにも多く、少しぐらいの時化で休んでいたら10回というノルマをこなせないと思ったとおっしゃっていました。基本的には18回を予定していたのですが、ふたを開けるとなかなか海に出ることのできない日々が続いたのです。
でも海にとっては時化は必要なこと。海の生き物にとって時化ることで夏の間上がっていた海表面、表層の水温をかき混ぜて下げる作用があるのです。時化ないと秋の海や冬の海に変わっていくことができないということ。かき混ぜることで下に溜まっていた栄養分が上に上がってきたりすることもあるので、水温もそうですが、すべてが時化によって調整されていくのです。
時化ることで最初は16度近かった水温が、どんどん下がってきました。
ただ気になるのは計測していた水温の上下動が激しかったこと。同じ地点で測っているにもかかわらず、昨日は11度まで下がったのに今日は13度まで上がっていたりしたそう。つまり水温が安定しないとエサが動くので、それを食べる、上のものも動き回って結果として会えなかったいうことにつながると思うと。今までの水温はいちど下がるとわりに安定していたそうです。
a2016.10.23釧路の町と、ザトウクジラ.JPG

シャチは去年も一昨年も100頭以上(延数)を数えていたのに、今年は18頭位しか見ていないのです。
10日間の調査にしてから過去最低の遭遇率、まさに衝撃的な出来事。さらにそれは1つの群れを2回見ただけ。最終日にイシイルカを普通な感じで見ることができたので、これから秋の釧路沖のいつもの感じになっていくのでしょうか?
来年以降も少なくとも今のベース、もしくはもっと拡大した調査をと思っている笹森氏なのでした。
※写真は笹森琴絵氏からお借りしました。
(上から 一列に並ぶシャチの群れ、釧路沖に毎年現れるシャチの群れ、釧路市民の前に現れたザトウクジラたちと尾びれを挙げるマッコクジラ、釧路の街とザトウクジラ)